ETERNAL TEARS OF SORROW「CHILDREN OF THE DARK WATERS」

tawachi2009-06-02

 フィンランドのキラキラ系メロディック・デス・メタル・バンドの復活第2作(通算6作目)。凝ったメロディラインと煌びやかなシンセに彩られたいつも通りのEToS節を聴かせてくれるが、今回特に耳を引くのはサウンドのヘヴィ面の充実。時にブラック・メタルを思わせるような疾走感を獲得しており、これまでの彼らにあった、シンフォニックで派手な反面軟弱で攻撃性には欠けるという印象は一掃されている。一方で、シンフォニックなアレンジも大幅増量。思えば前作に収録されていたNIGHTWISHばりのシンフォニック・チューン「Angelheart, Ravenheart」にその兆候は現れていたとも言えるわけだが、今回はその手のアレンジが全編に亘って惜しみなく導入されており、ヘヴィさの強化と相俟って、振れ幅の大きい実にドラマティックな出来に仕上がっている。女性コーラスや普通声といった小細工の挿入も、自然で嫌みがない。今までの路線を着実に踏襲しつつ、アレンジ力の向上により密度を上げてさらなる進歩を示した、現時点での最高傑作と言える。


HOME PAGE : 鈍ヒ羊