LACRIMOSA「SCHATTENSPIEL」

tawachi2010-05-13

 昨年奇跡の来日を果たしたスイスのゴシック・ユニットが、20周年を記念して放つ「ファンのための」2枚組企画盤。そもそもLACRIMOSAのファンではない人向けを意図されてはいないので所謂ベスト盤的な作りにはなっておらず、「Schattenspiel(Shadow Play)」というタイトルも示すように、主にB面曲や未発表曲で構成されている。代表曲と言えるものも数曲入っているが、それらも手が加えられたヴァージョン違い。新曲も2曲収録。基本的にアウトテイク集というだけあって、ファンでない人にまでアピールするようなアルバムではないと思うが(ベスト盤をお求めの方は「LICHTJAHRE」をどうぞ。ライヴ盤ですが同時にベスト盤としても最高のパフォーマンスを発揮します)、貴重音源をこうしてまとめて聴けるというのはまったくもってありがたい。古い曲から順に並べられているので、影からとはいえLACRIMOSAのこれまでの足跡を概観することもできるし、また代表曲もいじり具合が面白い(「Copycat」の爆発音などのアレンジは大袈裟すぎて笑える)。アウトテイク集とはいえ、私のようなファンにとっては聴き応えは充分の力作。

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