Extreme the Dojo Vol. 17 @ 渋谷 CLUB QUATTRO

 ブラックメタル大会に続き今度はデスメタルグラインドコア大会。今回も最高でしたよ。ヘレルヤ!

 5時半に渋谷に着き、荷物を駅のコインロッカーにブチブチ込んでから友人らと合流。上着も何も全部コインロッカー内なので、Tシャツ姿で外で30分待つ。寒いけど胸に熱く滾るメッタルハートを秘めているから大丈夫。でも寒い。
 入場し、物販を見るが特に欲しいデザインのものはなかったのでスルー。VADERの新作のTシャツ(ヘタレた日本盤のジャケじゃなくて、元のクソキモいイカスやつね)が欲しかったけどなかったしな。
 物販やコインロッカーに物凄い勢いで人が並んでいたせいもあって、中はまだスカスカ。体力温存のため後ろで観るという皆を置いて一人で前へ。

■CRYPTOPSY■
 まずはCRYPTOPSY。最初音が悪くてどうしようかと思った。弦楽器は全部一塊のぐしゃぐしゃだし、ドラムも潰れて何がなんだかわからない。でも数曲で少し改善して、ドラムとギターソロぐらいは聴き取れるようになった。
 いやしかし、彼らは初めて観たけどやっぱり演奏はえらいことになってますね。真ん中の最前付近にいたのでドラムにかぶりつきだったわけだが、終始超速でバスドラを連打し続けつつ、馬鹿でかいセットを隅から隅まで使って複雑きわまりないフレーズを叩き放題。これだけ目まぐるしく叩き続けながら、目で見える限りでは余裕綽々な様子だしまったく化け物か機械ですかあんたは。
 弦楽器隊も相当なもので、変拍子満載の高速ドラムの中、むやみに大量に織り込まれたブレイクを毎回ちゃんと決めるし、下手側のギターさんはソロの度に訳のわからない精度で弾きこなす。ベースはまあ音はよく聞こえなかったけど、髪をぐるんぐるん回しながら両手の指がえらい速度で弦の上をうねりまくっているのを見ているだけで凄い。
 そしてフロントマンのロード・ワームは、気色悪い声でゲボゲボムッキャーと叫びまくる醜悪なヴォーカルとは裏腹に意外とフレンドリーでお茶目。水を飲む度にこちらに微笑みかけてみたり、ゼリービーンズみたいな菓子(ミミズを模したものか)を前の方の客に手渡しで配ってみたり。声からすると毎晩特殊な鈍器で猫を撲殺してそうなイメージだったんだがこれはこれでイカス。近所にいた女性からは「ロード・ワームかわいいね〜」との声も出てましたよ。

■VADER■
 お次はVADER。とりあえず、さっきまでが嘘のように実に良好な音で安心。前回のDojoの時といい、やはり最初のバンドはあくまで前座扱いってことですかね。
 この方々もさすがに演奏はCRYPTOPSYにも負けないぐらいに上手かったけど、CRYPTOPSYが演奏力を見せるタイプだったのに対してこちらは曲のノリ重視。個々の演奏というよりも、バンドが一体となって怒濤のノリを形成する様がかっこいい。やっぱり乗るなら断然こっち、ということで観客の方も(私も)よく盛り上がっている。ピーターのステージ運びが実に上手くて、ギターヴォーカルというポジションもあってそれほど動き回ったりはしないのだが、客を煽るツボをよく心得ている。この辺はさすが歴戦の兵か。鬼軍曹なルックスも非常に様になっていてイカス。
 セットリストは基本的に突進しっぱなしな感じだが、新作と同じように随所にシンフォニックなSEを使っているのが上手く流れを作る効果を出していて、途中でだれることも疲れ過ぎることもなかった。こういうやり方もあるんだな。

■BRUTAL TRUTH■
 ここで後ろに下がってBRUTAL TRUTH。噂に聞いていたダン・リルカの馬鹿でかさを目の当たりにして笑う。でけえ! 細い分余計にでかく見える。あの辺だけ遠近法がおかしいよ!
 最初はそんなリルカに目を奪われていたのだけど、途中でドラムのおっさんの異様な様子に気づいてからはそちらに釘付けになった。前2バンドのドラマーの方々が機械か獣かといった具合で余裕のドラミングをかましていたのと対照的に、口を開けっ放して目を白黒させた必死の表情で今にも筋肉が痙攣せんばかりのぎこちない動きで叩いていてめちゃくちゃ面白かった。ものすごく忙しそう。ドラムセットが小さいので(VADERやCRYPTOPSYの3分の1ぐらい)またその様が逐一見えるのだ。まったく実にブルータルで最高。他のメンバーもグラインドコアに相応しい臭そうな風貌がブルータルで最高。
 そんな様子で演奏されている曲の方もグラインドコアらしいグチャグチャっぷりで、上手いのだかどうだかよくわからないのだけど、あんな訳のわからない演奏をしていてもちゃんと合ってるから上手いんだろうなあ。
 客席はモッシュピットで暴れまくりの大盛り上がり。途中で全裸になる剛の者も現れて、上空をパンツやら何やらが飛び交う様がブルータル。一枚照明に引っかかったりするあたりがまさにグラインドコアで最高。

 そんな最高なBRUTAL TRUTHだったけれど、我々は時間の都合で30分程度で退場となった。残念でした(なんでもアンコールは5秒だったそうな。観たかった)。今夜も熱かったですよありがとうDojo。次はいつかしら。


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