AMORPHIS「ECLIPSE」

tawachi2006-03-30

 フィンランドの元メロデス・バンド、ヴォーカルの交代を経てリリースされた7thアルバム。デス声が再び数曲でフィーチュアされていたりするせいか、「あの傑作『ELEGY』に回帰か」とか「奇蹟の大復活作」とかいろいろ騒がれているようだが、聴いてみると中身は4th「TUONELA」以降推し進めてきた路線そのままの、民謡風メロディがふんだんに盛り込まれたHM/HR。実際、前作「FAR FROM THE SUN」と聴き比べてみても音楽性そのものが特に変わった感じはしない(デス声が戻るとはもはや思っていなかったので、その点は意外だったが)。若干ヘヴィになった感はあるがメロデス回帰とは程遠いし、メロディの質も「ELEGY」の頃の悲哀爆発系とは違って、哀愁の中にもどこか明るさを感じさせるHR寄りのものだと思う。そういうわけでこれが回帰だとは私は思わないのだが、しかし傑作という評価には全面的に同意する。ヴォーカルは以前と同様の漢臭いタイプなのだがより力強く表現力もあってこの曲にはぴったりだし(デス声も良い感じ。いい人材を見つけたなあ)、また何といっても一曲一曲のメロディの充実ぶりがなかなかに凄まじい。捨て曲皆無、聴き所満載の傑作。


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