THEATRE OF TRAGEDY「STORM」

tawachi2006-04-02

 ノルウェーのゴシック/エレクトロ・バンドの6th。前作の後で再び女性ヴォーカルが交替しているが、それと合わせたかのように音楽性も変化、前々作「MUSIQUE」〜前作「ASSEMBLY」で聴かれたピコピコしたエレ・ポップ風味は減退し、メタル的なエッジの効いたサウンドに立ち戻っている。新任のヴォーカルがまた初代ヴォーカルのリヴ・クリスティンに似たコケティッシュな声質を持ち、これはもう否応なくゴシックメタルの名盤である3rd「AEGIS」を想起させる。リヴが「メタルがやりたい」と言ってバンドを離れたことを思うと今になってこの路線に戻ったのはどういう意図かと多少皮肉な想像でもしてみたくなるが、LEAVES' EYESやリヴのソロがどちらかというと優雅で甘いゆるい方向に向いてしまっている現在、本家である彼らがこのようにちゃんと暗く冷たく美しいゴシックメタルをやってくれるのは実に嬉しく頼もしい。アルバムの出来自体も「AEGIS」に迫る勢いだ。やっぱりゴシックメタルは暗くないとね。


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