恋月姫人形展「翠迷宮」

tawachi2005-10-15

 恋月姫様の人形展「翠迷宮」を観に浅草橋へ行く。浅草橋は初めてだったが、弓月総本店を始めとして日本人形の店が無闇に犇めく壮観な街ですね。「人形材料」とか書いてあったのでもしかして日本人形的なヅラなどが手に入るかもしれないと思ったのだが、中を覗いてみると何やらすげえ人形がずらりと並んでいておハイソで入りづらい雰囲気だったので諦めてしまった。まあ金も時間もなかったし、また今度ということで。
 会場のギャラリーはそんなイカス街の中にある古き良き日本家屋といった感じのところを使っていて、いきなり玄関までが庭になっていたりしてこれ本当にギャラリーかとびびる。靴を脱いで中に入ると、もろ和室の畳の上に姫のお耽美な西洋的ビスクドール達が無造作にごろんごろん。そんな様子は一種異様ながらも妙にマッチしてもいて実に素敵。別室では普通に洋室に飾っていてそちらも無論素敵。それら世界最高レベルの芸術品達を鼻先が触れんばかりの至近距離でじろじろじろじろ観察できるわけでもうたまらんですよ。でもエリザベート・バートリなどなどの世界悪女シリーズをあの少女人形でやるのはさすがに少し無理があると思いましたよ。最高だったのはやはり今回の展示のメインと思われる、地下にある謎の小部屋に一体だけいた奴で、森をプリントした緑のシートで壁面を覆い尽して床には土を持ち込んで植物が植えてあるのですよ。すげえかっこいいシュールな空間で思わずちびりそうになったもんですよ。空間作るならこれぐらい徹底してやってみたいな。
 作る側としては、生で見るとやはりいろいろ参考になって良かった。写真だと(言葉は悪いが)ごまかしが効いているというか、美しさばかりが無闇に強調されて見ているこちらとしてはただただ打ちのめされるのみとなるが、実物を見るとどこがどういう風にできているのかとか、細かいといってもどの程度まで精緻に作られているのかとか、塗りはどんな具合なのかとか、盗めそうな部分も多い。また今回、彩色されていない真っ白な状態の人形を初めて目にすることができたのも興味深かった。意外だったのだが、姫の人形って基本的にグラスアイではなくて描いてるのですね。でもあのガラスっぽい光沢とか色の深みはどうやって出してるのかね。樹脂みたいな塗料、それとも七宝?
 そんな感じで大変良い刺激になった。ポストカードのセットなども買ってみたりしてウハウハ。あと4、5体作ったら窯買ってビスクがやりたいなあとか微妙な決心してみたり。その時になって金と場所があればだが。


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