ARCTURUS「SIDESHOW SYMPHONIES」

tawachi2005-10-14

 ノルウェーブラックメタル界の偉人達によるバンド、3年半ぶりの4thアルバム。ブラックメタラー達がやっていると言っても、ブラックメタルと呼べたのは1st「ASPERA HIEMS SYMFONIA」までで、2nd「LA MASQUERADE INFERNALE」ではシアトリカルで怪しげなシンフォニックなヘヴィ・メタルへと方向転換。続く3rd「THE SHAM MIRRORS」もシアトリカルさを十分に残しつつ、よりストレートなアプローチで聴かせるメタル作品となった。本作もまた、その2nd〜3rdで完成された作風の延長線上にある。シンフォニック・ブラック由来の荘厳さ、邪悪さを持たせながら、複雑な曲展開や無闇に種類の多い道具立ては馬鹿馬鹿しいほどシアトリカル、それでいてメロディはあくまで分かり易く叙情的、という個性的極まりないサウンドはまさにARCTURUS。また今回は特に、曲展開のせいか音作りのせいなのか、宇宙的とも言える闇雲なまでのスケールの大きさを打ち出すことに成功している。過去の名盤群に全く引けを取らないどころかさらなる発展を見せる、さすがARCTURUSといった具合の力作。


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