SENTENCED「COFFIN」・ライナーノーツ

 昨日買った棺桶ボックスのブックレットに載っていたサミの文章を読んでいたらあまりにも心と涙腺に響いたので、ついカッとなってその最後のページだけ訳してしまいました。バンド結成時からの思い出や、解散に至った心情などをひとしきり語った後、ミーカの死についての思いを書き連ねています。

(以下訳文)

 このボックス・セットを手にしているからには、俺達が今年の春、もう一つの葬儀を行ったことを、君は知っているだろう。解散のときにやったみたいなやつじゃない、本物の葬式だ。今でもそのことを考えるたびに心が痛む。この春、俺達は、人生の盟友にしてバンドメイト、ミーカ・テンクラの体を、彼の故郷ムホスのキルコサーリ墓地へと埋めた。彼の35歳の誕生日のことだ。彼のことを過去形で話さなきゃならないのは、俺にとって未だに辛い。

 俺達は親友を、とんでもなく才能に溢れたミュージシャンを、そしてバンドの音楽の魂を失ったんだ。俺は彼の曲作りの才能に対して、決して称賛を惜しまなかった。その才能は俺にとって、ある意味では絶望だったし、また同時に希望でもあった。彼はいつも、幾重もの感情を秘めた、輝くようなメロディを作ってきた。その感情は誰しも抱いてはいるが、決して言葉には言い表せないようなものだ。

 奇妙な一致に思えるけれども、彼の書いた最後の曲は「THE FUNERAL ALBUM」の「End of the Road」だったし、彼が生前最後に演奏したのは、SENTENCEDのキャリアを締めくくったあの2005年10月1日、オウルーでのショウだった。ミーカは先天的な心臓疾患を抱えていて、それが他のいろんな要因と重なって、ある日、彼を襲った。2009年2月18日、突発的な心臓発作によって、彼は亡くなった。彼の心臓は、早々に鼓動を止めてしまった。あまりにも早かった。

 そんないろんなことを考えて、このコンプリート・ボックスというのはものすごくいいアイディアなんじゃないかと、すぐに俺は思った。なぜなら、このボックスはSENTENCEDの全ディスコグラフィを収録するというだけじゃなく、同時にミーカのライフワークを集めたものにもなるからだ。ここに収録された曲の中で、ミーカの心臓はまだ脈打っている。止まることなく、今も鼓動を響かせている。

 最後に、この16年の間、我々SENTENCEDといろんなものを共有してくれたことを、君達みんなに感謝したい。君達がこのボックス・セットに、俺達にとってのそれと同じような意味を見出してくれたら嬉しい。このボックスは、浮き沈みしながら生きてきた16年間へのお祝いであり、一方、俺達の人生におけるあらゆる局面へのお別れでもある。これは俺達の棺なんだ。

 君達の幸福を心より祈る。
 さらばだ。

2009年9月、SENTENCEDに代わって
サミ・ロパッカ

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