SENTENCED「BURIED ALIVE」

tawachi2006-12-15

 デス・メタル・バンドから出発し、メロディック・デスを経てゴシック味を帯びたHM/HRへと転化、ついにはその手のゴシック・メタルの始祖として祖国フィンランドで確固たる地位を築いたSENTENCED。音楽的にも成熟の極みに達し、キャリア的にも頂点へと上り詰めた彼らが、まさにその絶頂期に自分たちの手で活動に終止符を打った、その最後の「葬式」ライヴが余すところなく収められたDVDがこれである。
 まず思うのはかなり金のかかった豪華な造りだということ。ライヴ本編のDVDに加えてその音源の入ったCD2枚、さらにPVやツアーのドキュメンタリーなどを収録したDVDの計4枚という構成もそうだが、その中身も映像、音声ともに美しい極上の出来。さらに日本語字幕もインタビューのみならず、フィンランド語のMCなどにまでちゃんとついているのがまったく大したものだ。
 無論、肝心要のライヴ・パフォーマンスもそれに見合った素晴らしいもの。曲は勿論名曲ばかりだし、演奏はこれ全部後から差し替えてんじゃねーのというぐらいめちゃくちゃタイト(リズムに乗り遅れ気味のヴィレのヴォーカルはちょっと不安定だけど)。いるだけでかっこいいヴィレ、きびきびした動きが渋い二人のサミ、そして随分丸っこくなってしまったけどプレイの方はさすがにびっくりするぐらい上手いミーカ(かなり速弾きするような箇所でもほとんど誤魔化さず、リズムが崩れるようなことも一切ない)、と各メンバーの存在感も抜群である。昔の曲をやる時に「旧友の死を看取りに」前任ヴォーカルのタネリ・ヤルヴァが登場するのも嬉しい。
 演出もちょっと凝っていて、随所でパイロが上がるのもかっこ良いし、「No One There」で落ちてくる人工雪やラスト「End Of The Road」で舞う銀紙の美しさは本当に泣かせる。まったく素晴らしい葬式だ。
 ライヴ本編で興奮し涙した後はボーナスDVDの方も是非。ドキュメンタリーがなかなか充実していて、股間をむやみに撫でさすったり陰毛を燃やしたりと、結構アホなメンバーのノリが大いに笑わせてくれる。
「ちんこ発明した奴って偉大だよな!」


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