CRADLE OF FILTH「THORNOGRAPHY」

tawachi2006-10-10

 イギリスの吸血貴族メタル・バンドの7作目。ブラック・メタルの邪悪で猥雑な雰囲気を基調に、シンフォニックなアレンジを大々的に施し、ゴシカルでもある荘重さを演出する作風は前々作「DAMNATION AND A DAY」〜前作「NYMPHETAMINE」の流れを汲むものと言える。その中にあって今作では、幾分正統派HM方向へとスライドさせたブルータル・パートが前面に押し出されており、その分前2作と比べるとかなりストレートな仕上がりとなっている。勿論劇的さにこだわった作りは変わっておらず、練り上げられた楽曲はさすがの完成度。ダニの表情豊かな発狂声のおかげもあって最後まで一貫してテンションは落ちない。シンフォニック・ブラック・メタルの開拓者に相応しい貫禄の出来だ。


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