SATYRICON「NOW, DIABOLICAL」

tawachi2006-06-20

 ノルウェーブラックメタル界の重鎮、4年ぶりの新作。方向性としては前作からの流れを汲んでおり、ミドル・テンポの曲が主体で派手にブラストする場面はあまりない。かなりの高速で叩いているパートはあっても、だいたいドラムはちょっと奥の方に引っ込んでおり、疾走感よりもリフの重さ、寒々しさよりも邪悪さがより強調されている感じ。独特なセンスのリフはこれまで通りだが、今作では曲の構造がシンプルになった分、その不気味なリフが特に際立っている。ジャケの顔をした悪魔が闇の中で静かに座っているかのような妙な貫禄、圧迫感がある。このバンドの場合、音楽的・音質的には洗練しつつも、どこかプリミティヴ・ブラックにも通じるような不穏で落ち着かない感触を引きずっているのが不思議なところだ(特異なメロディ・センスのおかげか?)。無論それこそが魅力となっているのだが。


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