THE GATHERING「HOME」

tawachi2006-04-26

 オランダのゴシック・バンド、前作からアコースティック・ライヴ盤やレア音源集を挟んで3年振りとなる8thアルバム。何やらイカれた感じのするヘヴィなジャケットにちょっとぎくりとするが、中身の方はここ数作と同じ路線。素晴らしい歌唱力を備えたアネク嬢の包容力のある柔らかい歌声を中心に、寂寥感や時に狂気をも内包した暗くも美しい音楽が今作でも展開されている。メタル色は無論とうに失せ、所謂ゴシックメタル的な押し付けがましいほどの重苦しさはないが、曲調としては優しいながらも塞ぎ込むような暗いヤバさには逆にますます磨きがかかっており、この浮遊感のある音像に身を委ねていると実に心地よく鬱になれる。いつまでも聴いていたい。