陰陽座 龍頭龍尾〜陰陽の巻 @ 新木場・STUDIO COAST

 陰陽座の冬のツアー最終日に行ってきた。各地で「陰の巻・陽の巻」と題してセットリストの被らない2日ずつのライヴを行ってきたその最後の日、「陰陽の巻」ではそれら「陰の巻・陽の巻」から美味しいとこ取りをした構成ということらしいが、まあ今回のツアーでこの日しか参加しない私には特に関係のないことである。
 そんな今日のライヴ、新作「臥龍点睛」から計8曲やったりしてアルバム後のツアーっぽくもあったが、それよりは組曲2曲(「黒塚」と「義経」)に組曲仕立ての続き曲2組(「不知火」〜「牛鬼祀り」と「龍の雲を得る如し」〜「蛟龍の巫女」、アルバムでは連続していないが物語的に続いているので続けて演奏したらしい)が含まれた、やたらとドラマ性の強調されたものだった。バラードを2曲連続でやったりして、どちらかというとじっくり聴かせる感じのセットリスト。所々で押せ押せの疾走曲が塊で挿入されるが、ゆったりした曲の余韻もあっていまいち乗りきれない感じ。とはいえこれはこれでショウとして充分ありでしょう。アルバム通りの美声を響かせる黒猫様は言うまでもなく素晴らしく、組曲での語りや力強いパフォーマンス(あまり出番がない曲でもぐるぐる舞うように走り回ったり、あと「百の鬼が夜を行く」でのいつもの崩落とか迫力ありすぎ)も含めて全く惚れ惚れさせられる。「百の鬼〜」のサビを私の真横でがなっている大馬鹿がいたりとか、「義経」のあの聴かせどころで客席から悲鳴を上げる下衆がいたりとか、阿呆な客のせいで不愉快な場面も多少はあったがライヴ自体は実に良かった。長々と3時間もやってくれて大満足。MCが聞き取りづらくて笑いどころの多くを聞き逃してしまったのがちょっと残念ではあったけど。


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