スズムシ

 高速道路の某サービスエリアで展示販売しているスズムシを見ていて、こいつらは結局のところゴキブリ+カマドウマであるという事実に気がついた。黒光りする革質の翅といいゆらゆらと揺れる二本の長い触角といい、ゴキブリに極めて近いということは前から薄々知ってはいたが、改めて眺めてみると脚や体の形はカマドウマによく似ている。日本人の心をくすぐる二大きもい昆虫を合体させたのがスズムシであるわけで要するにこいつらきもい。こんなきもい連中が何やら風流な音で鳴くという理由だけで人々に愛でられているのはどういうわけか。少し想像すればわかっていただけると思うのだが、ゴキブリ単体あるいはカマドウマ単体が夜便所や台所で鳴いていたとしたら、それがどれだけ風流で雅な音であろうとおぞましくてしょうがないであろう。これが合体した途端大抵の人が平気になるというのは実に不思議だ。ひょっとしてあれか、焼きそばをおかずにパンを食べるのは駄目だが焼きそばパンなら大丈夫とかそういうのと似たようなもんか。いやだいぶ違うな。


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