ALI PROJECT「Dilettante」

tawachi2005-06-23

 オリジナルとしては「EROTIC & HERETIC」以来、約3年ぶりとなる7th(かな? リリース枚数がいろいろ多くて混乱してしまいます)アルバム。片倉三起也によるいかにも音楽理論ばりばりの打ち込みをバッキングに、宝野アリカ嬢(シンフォニック/ゴシック系メタラーでもいらっしゃるようですね、これ重要)が毒の効いた耽美的な歌詞をこれまた毒々しくも透き通ったロリ声で歌い上げるサウンドゲーム音楽的な装飾過剰な安っぽさが毒気を増幅する様はここ数作を踏襲した作風で、全くもって期待通り。「コッペリアの柩」や「月蝕グランギニョル」のような、一発で耳を捕らえるわかりやすいメロディは控えめだが、老獪に作り込まれたアレンジはさすが。「月光嗜好症」「etoiles」で見せたようなクラシック的な曲もあり。ただし今作では、バッキングの作り込み過ぎと即効性のメロディの少なさから、そもそも圧倒的な上手さで聴かせるわけではないヴォーカルがバックに埋もれ気味のような気もする。まあバックだけでも充分楽しめるぐらい充実しているし、音楽の密度の濃さはいつも以上。


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