DISSECTION「MAHA KALI」

tawachi2004-12-06

 とうとうこの時がやってきた。97年、3rdアルバムのレコーディングの直前に起きたリーダー、ジョン・ノトヴェイトの衝撃の逮捕劇から7年、全世界のブラックメタラーが待ち焦がれてきたDISSECTIONの新音源がついにリリースされた。まずはこの2曲入りシングル。1曲目のタイトル・トラック「Maha Kali」はミドル・テンポのメロディックな曲だが、一聴して昔の寒々しい疾走感や内に籠もる暗さがあまり感じられないのに驚く。音質も妙にクリアというかスカスカで軽くて違和感ありまくり。まあ、ギターとヴォーカルはムショ内で録音されたようなことが書いてあるのでそのせいかもしれないのだが。後半には女声パートまで導入されていて、そこが微妙に(タイトルから危惧された通り)インド臭かったりもする。正直言って、最初はやはり7年もムショにブチ込まれると変わってしまうものか、と落胆したが、何度も聴いているうちにメロディアスなのに決して甘くならない独特のメロディ・センスや邪悪さといった美点は(薄められながらも)きっちり引き継がれていることに気づき、だんだんとこれもありかなと思えてきた。まあやっぱり昔の方が良かったのだが。カップリングは「Unhallowed」の再録。特に大きな変更点などはないが、変にまとまってしまってあの壮絶な勢いがやや殺がれている感じがする。録音レベルとしては向上しているし、もとが死ぬほど名曲なので悪い出来なわけはないのだが。
 ということで今のところ、少し落胆もあるがそこまで劇的に変わったわけではなく充分楽しめそうではあるといった感じ。とりあえずフルアルバムに期待。それから復活ライヴのビデオが出るとか出ないとかいう話で、そのライヴが2nd全曲と1stの冒頭2曲プラスアルファという考えるだけで鼻血や耳血の止まらないまさに完璧なセットリストだったようなのでそちらにも激しく期待。




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