洋式便器の神秘

 以下は何かで読んだとか調べたとかいう話ではなくあくまで私のふとした思いつきなので気を付けていただきたい。でも結構合っているのではないかと自分では思っている。
 洋式便器の底にはほぼ必ず水が残っているが、あの水は凄いのである。実はあの水は、排出した便の臭いをある程度封じ込める役割を果たしているのである。下痢をした時、いつもより臭く感じることが多いと思うが、あれは下痢便が水に浮くことで、広がった表面から臭いが多く立ち上るであって、下痢便そのものが普通より強烈に臭いというわけではない。本当は下痢便だろうが普通の便だろうが臭いはさして変わらない。むしろ、下痢便の方が腸内で熟成されていない分、大腸菌臭は薄めであるとさえ言えるのだ。
 さらにもうひとつ、あの水には便器内に落ちた便が便器の肌に付着するのを防ぐという役目もある。これについてはおそらく和式便器の便が落ちるスペースにうっすらと溜まっている水も同じであろう。
 和式便器について、謎なのは金隠しの下に溜まっている水の役割だが、べつに技術的に水を完全に排出してしまうのが難しいわけではあるまい。水を溜めることによってある程度の湿度を保ち、上のスペースの水がすぐに蒸発してしまうのを防いでいるのではないかと推測できる。また、下水管から逆流してくる臭いを防ぐ役目もあるのではないか。
 とこのように、便器の水ひとつにもかようにたくさんの工夫が詰まっているのである。読者諸氏は普段何気なく排便しているのであろうが、たまにはこんな便器の神秘に思いを馳せてみるのも悪くないのではないかと思う次第である。


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