ETERNAL TEARS OF SORROW「BEFORE THE BLEEDING SUN」

tawachi2006-05-21

 4th「A VIRGIN AND A WHORE」を最後に活動停止していたフィンランドメロディック・デス・メタル・バンドが再始動、5年ぶりにリリースした5枚目のアルバムがこれ。メンバー・チェンジがあっても音楽の中身は活動停止前と変わらず、キーボード入りのキラキラした音像でクッサいメロディをこれでもかと詰め込みまくって疾走するスタイルをしっかり維持している。女性ヴォーカルが随所に挿入されており、また曲自体にゴシック色は薄めなので、全体の雰囲気は3rd「CHAOTIC BEAUTY」に近い感じ。やや軽薄な音質、なんだか弱っちいデス声(少しマシにはなっているが)などもそのまま引き継がれていたりするが、曲のクオリティの高さも前のままだし、文字通りの完全復活と言える内容。ちょっとしたリズム・パターンや節回し、曲展開などからもEToS節がびしびし感じられるのが嬉しい。同時に、新機軸ともいえるNIGHTWISHみたいな大仰きわまるシンフォニック大曲「Angelheart, Ravenheart」あたりも、今となってはごくありがちな曲調ではあるものの完成度とテンションの高さは保っており、他の曲との違和感もなくはまっていて実に良い。まあアルバムを通して聴くとワンパターンのきらいがあるのも事実だが、その辺はまた次作への課題ということで。今は復活作として不変ぶりを示してくれたことにとりあえず感謝したい。


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