遊佐未森「休暇小屋」

tawachi2006-05-10

 「Bougainvillea」以来2年9か月ぶりとなるニュー・アルバム。去年のピアノソロ・コンサートで「楽器陣がよく聞こえて楽しいようなアルバムに」というようなことを言っていたと思うがその通りの仕上がりで、未森さん本人のいつもの悶絶的美声のみならずバックの演奏にもつい耳が行くような音作り・曲作りになっている。そのためかライヴのときのような生き生きとした空気が際立って感じられ、彼女の作品の中でも特に聴いていてリラックスできる雰囲気に満ちている。まさに「休暇小屋」というタイトルにぴったりなアルバムだ。また、アルバム全体の方向性や作風に縛られないような姿勢で作ったのが良かったのか、或いは単にいつもより長めの制作時間のおかげか、楽曲の質もいつになく充実しており、近作にありがちだった中だるみ感はなく、どの曲も粒揃いの完成度。特にストリングス3種を採り入れた(微妙に新機軸?)美しい「ベージュ」などは珠玉の出来だ。久々の快作。


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