LANA LANE「LADY MACBETH」

tawachi2005-03-31

 オリジナルとしては7作目となるスタジオ・アルバムであり、デビュー10周年を飾る作品である本作は、「マクベス」をテーマにした初のコンセプト・アルバム。ハード・ロック的な疾走感を前面に押し出したはいいがメロディが決定的につまらなかった駄作「SECRETS OF ASTROLOGY」(あくまでLANA LANEとしては、だけど)以降、6th「PROJECT SHANGRI-LA」は2nd、3rdに及ばず、「BALLAD COLLECTION II」「WINTER SESSIONS」は「BALLAD COLLECTION」に及ばず(それぞれ佳作ではあったけど)、と個人的にはやや低迷(あるいはマンネリ化)していた感のあるこのバンドだが、このアルバムではかなり持ち直してきた感じ。シェイクスピアとか全然知らないしコンセプトがどうとかは全然わからないのだが、とにかく今回は特にギターを中心にメロディが充実しているのが喜ばしい限り。この心に沁み入るような暖かみを持ったメロディの溢れる壮大なシンフォニック・ロックこそLANA LANEに求めるものであり、LANA LANEはこうでないとと膝を打った次第。これでこそラナの美しいヴォーカルも活きるというもんだ。
 しかし4th収録の「Rainbow's End」以降毎度思ってきたことで、今作の「The Dream That Never Ends」「Keeper Of The Flames」にも当てはまるのだが、この手の疾走曲をやるとなんか取って付けたような中途半端さというか貧乏くささが漂ってしまうのはどうにかならんか。「The Dream That Never Ends」「Keeper Of The Flames」両曲の疾走パートがほとんど同じように聞こえたりするのは非常にいただけない。こうなるぐらいだったら無理して緩急つけなようとしなくてもいいのにな。まあ今回の2曲はそこ以外のパートが素晴らしいので救われているのだが。