Dir en grey「Withering to death.」

tawachi2005-03-29

 前作「VULGAR」から一年半を経てリリースされた5thアルバム。3rd「鬼葬」はひたすら暴虐な曲からシンプルなバラードまで幅広い曲調の曲を含みながらデジタル・アレンジによって完璧な統一感を生み出すことに成功、また個々の曲を取り出して聴けば変な展開の曲や地味な曲が並んでいながら、全体の流れ、バランスが素晴らしく、トータルのアルバムとして完成された紛う方なき傑作と言えた。が、続く4th「VULGAR」では生々しい攻撃性が強調され、ノリはやたらと良いもののメロディが全体的にいまひとつで、またアルバムとしても流れが悪くバラけた感じがして個人的にはそこまで好きにはなれなかった。というわけでこの5th「Withering to death.」に対しては少し不安な気持ちもあり、しばらくの間購入を躊躇ってもいたのだが、しかしリリース後聞こえてくる評判が随分良いようなので買ってみることにした。で結果は大成功、買って以降はこればっかり聴いているほどお気に入り。彼らの作品中最もヘヴィなアルバムであった「VULGAR」の攻撃性にさらに上乗せ、それに「鬼葬」のバラエティ感と統一感・制御感、そして「MACABRE」の暗鬱な空気と叙情メロディが加わり、現在の彼らに求めるもの全てが高次元で融合した最高傑作だ。京のヴォーカル表現もより幅広くなり、変幻自在な曲世界を実にうまく歌いこなしている。特にデス声は今回大幅増量の上迫力も増していて素晴らしい。SLIPKNOTを思わせるような曲もいくつかあったりしてますますメタリックなのも嬉しい。あとこのバンド、アートワークが毎回すげえかっこいいんですが誰がやってるんでしょう。