SOILWORK「STABBING THE DRAMA」

tawachi2005-02-22

 スウェーデンのエクストリーム・メタル・バンドによる6thアルバム。デジタルな味付けをした近未来的雰囲気の漂うメロディック・デス、サビはクリーン・ヴォイスというスタイルはやはり前々作〜前作のまま。今回はややギターが引っ込み気味で、その分全体的にキーボードによる空間処理が目立っているが、これが実に細やかに張り巡らされていて見事。ビヨーンのヴォーカルもより一層の成長を見せ、深みを増したクリーン・ヴォイスもますます魅力的だが、同時にデス声もさらなる攻撃性を獲得、このあたりは作を重ねる毎にヴォーカルがなよっていくIN FLAMESとは対照的だ。あと耳を引くのが新加入のダーク・ヴェルビューレンのドラムの巧さ。難なく叩き出される複雑なリズムと全体の緻密な音作りとが相俟って、プログレ的な空気さえ醸し出されている。ただやはり初期のような血涙を流す勢いのメロメロなギターをフィーチュアした王道メロデスは望むべくもない、と思いきや7曲目「Distance」や12曲目「Wherever Thorns May Grow」などでちょこっとだけ泣きのギター・ソロを聴かせてくれたりもする。全くいいアルバムです。