やる気しねえ

 というようなニュースを(今頃になって)知ってしまったショックで何もする気が起きず昼間からウォッカをがぶ飲みしてひと暴れしてからぶっ倒れるというようなことをやろうかと思ったが私の体は今のところウォッカをがぶ飲みしたりするようにはできていないのだった。仕方なく普通に論文を読んだりして過ごす。
 とにかくあれだけ素晴らしい音楽を作るバンドがなくなってしまうとは残念でならない。奇跡の傑作「THE COLD WHITE LIGHT」から2年半、次のスタジオ入りがいつの予定だの新作発売はいつになるだのというニュースが入るたび、次はどんな壮絶な悲メロを聴かせてくれるのかとわくわくしていたのに、実は彼ら自身はこんなことになっていたとは。この新作の後も、想像もつかないようなもっと凄い作品をばりばり作っていってくれるのだろうと、なんとなく信じていたのに。心待ちにしていた新譜だが、今はその日が楽しみなようなでも来て欲しくないような複雑な心境になってしまった。結局、待ちこがれていた来日も叶わなかった。アルバムリリース後のライヴは全部ヨーロッパでやるつもりのようだし。
 しかしまあ誰かが死んだわけじゃないし、バンドがなくなっても、その後メンバーが個別に活動を続けてくれればそれで良いとも思う。特にミーカが何かの形で音楽をやり続けていてくれれば。ミーカの悲哀メロディと激美ギター、サミの絶望鬱歌詞にヴィレの漢の哀愁ヴォーカルという組み合わせによるマジックはもう見られないかもしれないが、でもあの名盤「THE COLD WHITE LIGHT」を作りあげただけでも、バンドとして十分過ぎるほどの偉業を成し遂げたと言える。あのような傑作はバンドに1枚もあればもうそれで良いとも思う。でもひょっとして彼らのことだから、次はあれさえも超えるアルバムをあっさり作ってくれるのかもしれないと贅沢な期待もしてしまい、だから解散が残念でしょうがないわけだが。ラスト・アルバムとなる「THE FUNERAL ALBUM」、発売は5月。心して待ちますよ。


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