黒百合姉妹「天の極み 海の深さ」

tawachi2005-02-03

 国産お耽美ゴシック・ユニット、4枚のライヴ盤を除けば5年ぶりとなる5thアルバム。ひとり聖歌(必ずしも一人ではないけど)とでも言おうか、上手くはないものの清廉で高貴な声質の女性ヴォーカルと、宗教的な響きを持つピアノやオルガンによる静謐で幻想的な音楽は相変わらず。沈み込んだ空気に47分間どっぷりと浸れる。前作「星のひとみ」のタイトル・トラックみたいに(あるいはTHE 3RD AND THE MORTALの「PAINTING ON GLASS」における「Dreamscapes」のように)一瞬その空気を引き裂くようなはっとする展開が1箇所ぐらい欲しかった気もするが、まあ贅沢言わずともこれで充分満足です。ラストを飾る大作曲「Kyrie」の盛り上がりとか、素晴らしいですよ。
 ところで奇数番目のジャケットに限って毎回ホリー・ワーバートンなのですね、今のところ。