CRADLE OF FILTH「NYMPHETAMINE」

tawachi2004-09-22

 イギリスの吸血系シンフォニック・ブラック・メタル・バンドの1年半ぶりの新作。前作ではオーケストラを全面的に導入し、荘厳極まりないサウンドを作り上げていたが、今回はその手の要素はイントロなどごく一部のパートに見られるのみで全体としては引っ込んでおり、より重さや攻撃性を重視したメタル的な音作りになっている。とはいえ彼らのことだからいつものドラマティックさと耽美感に満ちた最高水準の美しいブラックメタルであることには変わりない。また、全体にメタリックな作風ではあるが、今作では一部のメロウなパートが徹底的に叙情的になっているのも特徴である。タイトル曲「Nymphetamine」の女声パート(元THEATRE OF TRAGEDYのリヴが参加している)や10曲目「English Fire」などがそうで、これまではメロディアスなパートは至る所にあったものの、どこか緊張感や不気味さが漂っていて、ここまでストレートな叙情メロディというのは珍しかったのではなかろうか。
 それにしても13曲目の「イアー! イアー! クトゥルー・フタグン!」にはそのまんま過ぎてちょっと笑った。勿論一緒に叫ばせていただいているが。


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